お客様紹介

株式会社桃太郎海苔 様

1948年の創業からおよそ75年。
海苔の加工・販売からはじまり、海苔・椎茸・野菜・麹菌発酵混合飼料など多角的な展開で「健康」を届け続けている株式会社桃太郎海苔の会長、姫野清高さまにお話を伺いました。

桃太郎海苔さんが、弊社創業のきっかけでした

弊社先代より、桃太郎海苔さまとのエピソードは、折に触れ聞いておりました。

姫野様

かつて大分市大在地区は国内でも有数の海苔の漁場でした。
冬場に採れる海苔を天日干ししたあと、火入れして乾燥させるのですが、湿気の多い夏場の保存や販売は、いかに乾燥した状態で品質を保つかが課題でした。

今は、湿気を通しにくい包装資材や乾燥剤がありますが、当時は鳥繁産業さんの前身である丸京石灰さんに石灰の塊を納品してもらい、庭先で砕いて袋に詰め、乾燥剤として使っていたことを覚えています。

多角的な展開の意図

桃太郎海苔さんといえば社名の通り「海苔」のイメージが強いのですが、多角的な展開をされていらっしゃいますね。

姫野様

私が二代目を引き継いだ頃は、ギフト需要の伸びなどもあり業績は好調でした。
しかし、バブル崩壊後の景気低迷やギフトの人気商材の変化になどにより、経営の安定を考えると新たな事業を作ること、多角化が必要だと思いました。
海苔の販売を通じてたくさんのお取引様とご縁をいただいておりましたので、みなさまのニーズに応える形で新たな事業に挑戦してきました。

コンピュータ制御の野菜工場

その新たな事業の一つが、野菜工場だったのでしょうか。

姫野様

一九九八年に夢野菜おおざいファームを設立しました。コンピュータで、温度・水・光・肥料など全て自動コントロールする閉鎖型野菜工場です。現在は三種類のレタスを栽培しています。

普通の野菜とどのような違いがありますか。

姫野様

土を使っておらず埃や虫の侵入がないので、一般細菌は限りなくゼロ。農薬を使う必要がありません。そのため水洗いしなくても食べられますし、日持ちします。

また、閉鎖型なので天候の影響を受けることなく、定量・定品質の野菜を一年中安定供給できます。
安心・安全・ロスが少なくてすむことから、スーパー、飲食店、宿泊施設様などに喜ばれています。

毎朝、ファームにレタスの生育状況を見に行くのが何よりの楽しみなんです。

焼酎粕を使った飼料の開発

麹菌の飼料も作られていらっしゃるとか。

姫野様

義兄である農学博士、林國興が「黒麹菌が生き物にもたらす作用」について研究しており、その協力を得て大分の特産品である焼酎粕を使った水産・畜産用の麹菌発酵混合飼料「桃麹」を開発しました。
ぶりの養殖などに採用され、「桃太郎ぶり」「麹ぶり」などのブランド名で流通しています。

ご縁、ニーズ、ノウハウの掛け合わせが最大の強み

多角化経営のポイントはなんでしょう。

姫野様

一番はやはり販路ですね。弊社の場合は、桃太郎海苔のお取引先様がそのままお客様になってくださいました。
長年のお付き合いで築いた信頼関係があってこそ。ありがたいことです。

それと、ニーズを捉える力、経験や技術などのノウハウを掛け合わせ生かすことでしょうか。
それが安定的な経営につながる、多角経営のポイントだと考えています。

「健康」を軸に据えて

姫野様

弊社の社是に「健康と文化の発展に奉仕する」という一節があります。

海苔が海の野菜なら、乾シイタケは山の野菜、葉もの野菜は里の野菜といった具合に、一見かけ離れているようにみえるけれど、どれも「健康」という軸からはブレていません。
麹菌発酵混合飼料にしても然りです。

地元大分産の海苔の復活を

今後は、どのような挑戦をなさるのでしょうか。

姫野様

地元大分の海苔の生産を復活させるべく、知恵を絞っています。
全国的に海苔の収穫量が減っている現状を打開する術を手に入れ、海苔業界を支え、みなさんの健康に寄与していきたいです。

取材協力

株式会社 桃太郎海苔 様

大分県大分市大字角子原900番地
https://www.momotaro-nori.jp/
電話:097-522-1234