夏になるとお菓子にカビが生えやすく、すぐに傷んでしまいます。どうしたらいいのでしょうか?
春〜夏、気温の上昇とともに、脱酸素剤を使っているのにお菓子の袋が膨らむ、お菓子にカビが生えたなどのトラブルへの対処方法についてお問い合わせが増えます。
原因の一つに細菌による汚染が挙げられます。 気温・湿度の上昇により、お菓子の品質変化や細菌が繁殖しやすい環境が加速しますので注意が必要です。
気温の高い季節に注意したい、細菌による汚染対策のポイント!
原材料の保管・洗浄
くだものや野菜などの生鮮品の搬入時に細菌が持ち込まれたり、適切に保管がされないことによる細菌の繁殖に気をつけましょう。洗浄の仕方にも注意が必要です。
- 材料に合わせて適温・適湿で保管しましょう
- 保管場所の衛生管理を徹底しましょう
- 材料は新鮮なうちに使いましょう
- 洗浄は流水でていねいに行いましょう
製造工程で注意したいこと
厨房は湿気が多く、器具や設備が結露により細菌に汚染されやすい環境にあります。
目に見えないカビやホコリが、手や作業服、容器、焼成後のお菓子などに付着し繁殖する場合があります。
- こまめな手洗いを心がけましょう
- 送風機やエアコンの吹き出し口のお手入れはしっかりしましょう
- 調理器具、ラックや什器の手入れは念入りにしましょう
包装工程で注意したいこと
ピンホールや、包装袋に細菌が付着するなど包装工程でも細菌に汚染する可能性があります。包装担当のスタッフさんへの教育も欠かせません。
- それぞれの包装資材、鮮度保持剤にあった方法で保管しましょう
- ピロー包装機のコンベアー部分も忘れずにお手入れしましょう
- お菓子を置く調理台やトレーはドライ(乾いた)状態で使用しましょう
- ベルトシーラーのベルトの汚れ、ハンドシーラーの手で触れる部分の拭き掃除をこまめにしましょう
そのほか
以下のことにもお気をつけ下さい。
- お菓子の材料や配合の見直しにより、水分活性値(Aw)を下げる
- 賞味期限を短くする、より低い温度での流通など販売環境の見直し
- 脱酸素剤(鮮度保持剤)の効果の再確認
あらためて、春から夏にかけては作業環境の温度が上がり、お菓子の傷みが早まります。
焼成後から包装工程まで、衛生的な環境で製造することが大切です。
正しい手洗いや器具の洗浄で細菌をつけないこと、温度管理の徹底と鮮度保持剤を正しく使い細菌を増やさないことを身に付けて、安心して商品をお届けできるようにしましょう。