汚染源と汚染経路に策を講じ、細菌やウイルスの侵入を防ぐ、発生を防ぐ、拡散を防ぐ、汚染を除去することが衛生管理のポイントになります。
特に、目の行き届きにくい箇所のカビ、空中に浮遊するカビやウイルスへの対策が大切です。
Point01. 侵入を防ぐ

店舗や厨房の窓やドア、搬出入口などから外気やとともに食中毒細菌やカビ、ウイルスが工場内に入ってきます。資材の外装やスタッフの体や靴に付着して持ち込まれるケースも少なくありません。
さらに、小麦粉などの穀類、野菜や果物などの原材料に付着している場合もあります。
完全に防ぐことは不可能ですが、侵入あるいは持ち込まれる食中毒細菌やウイルスの量を最小限に止める環境づくりをしましょう。



Point02. 発生を防ぐ
厨房内は、水や蒸気などにより高湿環境となりやすいため、カビなどが発生しやすい環境です。食品の残渣がたまりやすい場所もカビが発生、繁殖しやすい場所です。結露の発生や蒸気に拡散など湿度をコントロールして、カビが発生しにくい環境作りを目指しましょう。
カビが発生しやすいところ
湿気・水分が多いところ
湿気・水分が多いところは好湿性のカビが繁殖しやすいです。
- 水を使用する箇所
- 蒸気が放出される箇所
- 冷却用配管など結露がでやすい箇所
- 漏水・雨漏りが発生している箇所
空気の流れが集中するところ
- 空調機(空調機吹き出し口、フィルター、ダクトなど)
- スポットクーラー
- 集塵機
湿物の動きが少ない・空気がよどむところ
湿物の動きが少なく、空気がよどむところは耐乾性・好乾性カビが繁殖しやすいです。
- 不要物や使用頻度の低い機械・器具の周囲
- 清掃が行き届かない、汚れが蓄積している場所
- 原料や包材倉庫周辺
人の目が届きにくいところ
- 設備の影や裏側
- 天井裏・壁の内部
Point03. 拡散を防止する
店舗や厨房内に侵入あるいは発生した食中毒細菌、カビは空気の流れやスタッフの動き、また粉体原料の飛散などにより拡散するケースがみられます。空気の流れやスタッフの動線管理、原料の適切な取り扱いなど、拡散しにくい環境を作りましょう。



Point04. 汚染を防止する
食中毒細菌やカビが大きな問題となる前に、清掃や洗浄、室内空気の清浄化により常に除去し、残存する細菌やカビの数を少なくすることが重要になります。
カビの発生を認めたら速やかに殺カビ処理を行うなどカビの除去を行いましょう。



出典:公益社団法人日本食品衛生協会 カビからまもる!!ーその知識と対策