知恵のひろば(Q&A)

PETの円筒容器にクッキーを入れて、セロハンテープで封をしても防湿できますか?

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PETの円筒容器にクッキーとシリカゲルを入れてセロハンテープで封をしているのですが、防湿性は心配ないでしょうか?

PETの円筒容器とOPP袋で、吸湿量と水分活性の変動を確認する試験を行い、セロハンテープで封をしたPET円筒容器でもOPP袋と同様の防湿性があることが確認できました。
試験内容は下記をご覧ください。

サンプルと試験方法

サンプル

  1. 食品:クッキー80.0g
  2. 乾燥剤:シリカゲル乾燥剤SP-5g
  3. 容器:PET円筒容器、OPPパートコート袋(比較対象として使用)

試験方法

1. 各容器にクッキーとシリカゲル乾燥剤を封入(下記写真参照)

PET円筒容器:蓋はセロハンテープで封をする
OPPパートコート袋:ヒートシールで封をする

2. 上記サンプルの重量を1週間毎に2ヶ月間測定

重量初日と最終日は、総重量、クッキー、シリカゲルの重量を測定
初日と最終日以外は、総重量のみを測定
水分活性初日と最終日のみ測定

試験結果

1. 重量の推移

PET円筒容器OPPパートコート袋
総重量(g)クッキー(g)シリカゲル(g)総重量(g)クッキー(g)シリカゲル(g)
初日85.080.05.085.080.05.0
7日目85.685.4
14日目85.785.4
21日目85.885.5
28日目86.185.7
35日目86.185.8
42日目86.185.8
49日目86.185.8
56日目86.185.9
63日目86.180.45.785.980.25.7

※7日目〜56日目の期間についてはクッキーとシリカゲル乾燥剤の総重量のみ記載
※重量は風袋(PET円筒容器・OPPパートコート袋)を引いた値を記載
※シリカゲル乾燥剤の重量は包材重量を引いた値を記載

2. 水分活性の推移

初日7〜56日目63日目
PET円筒容器0.380.38
OPPパートコート袋0.380.38

まとめ

PET円筒容器とOPPパートコート袋で重量に大きな差がみられず、クッキーの水分活性も差がなかったことから、セロハンテープで封をしたPET円筒容器でも防湿性が十分にあることがわかりました。
なお、シリカゲル乾燥剤が14%吸湿したのに対し、クッキーは0.25〜0.5%しか吸湿していなかったことにより、防湿性容器とシリカゲル乾燥剤で食品の湿気を十分に防げることが確認できました。

今回の試験でセロハンテープで封をしても防湿性があることがわかりました。
ただ、セロハンテープの場合しなやかさにかけるので筒と蓋の段差などに密着しにくく、隙間ができやすくなるため注意が必要です。
また、封緘(ふうかん)テープと比べ乾燥(収縮)が起きやすいので気をつけましょう。

その点、封緘テープは耐水性や耐湿性もあるので安心です。

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